3.各種数値シミュレーション

・水域環境シミュレーション
 水域環境にとって流れの状態は決定的に重要な役割を持っています。ダム湖・湖沼から外洋までの広い対象範囲の流動シミュレーションを、各種のモデルを用いて行うことができます。水が濁ったり、貧酸素水が形成されたり、赤潮が発生したりするのはその水域の流動場と密接な関係があります。一方流動場は種々の外的要因によって大きく変化します。流動シミュレーションでは総合的な流れが計算できるだけでなく、個々の要因別にその流動場を計算することが出来ます。こうした要素流から何が水質変化の原因になっているかを突き止める事が出来ます。水域環境の把握には適切なモデルによる流動シミュレーションが欠かせません。調査を設計するための事前シミュレーションを行います。設計された観測から得られたデータは諸対策効果の検討などに極めて有効な判断材料を提供します。「データ同化」にも積極的に対応致します。観測データを逐次シミュレーション結果に取り入れ、より適切な環境現況の把握が行えるようにします。

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▲等密度面モデルを用いた日本海表層の流れと水温分布シミュレーション

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▲風による沿岸部の岸沖方向の流れ

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▲温排水挙動シミュレーション

・水産資源関連シミュレーション
水産資源は適切に利用するなら、未来永劫にわたって利用できる「再生可能エネルギー源」です。しかし、魚がどのように再生産されているのか(どこで産卵が行われ、仔稚魚がどのように移動し、どのような餌を食べて成長し、再び産卵するにいたるのか)は実はほとんど何も分かっていません。水温状態によっては、仔稚魚は生き残れません。海域の流れの状態によっても仔稚魚が生き残れないような海域に輸送されてしまうかもしれません。魚卵・仔稚魚の移動などを調べる資源再生機構調査、資源管理などにシミュレーション技術は欠かせません。今、海の状態がどのようで、どこへ行けば魚が取れそうかを知るための漁海況予測にもシミュレーション技術は力を発揮します。

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▲水塊や物体の移動状況を可視化するための粒子追跡

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